☓2結婚カウンセラーの思考録

2度の結婚・離婚、子育てを経たからこそ見えてきたさまざまな物事を綴ります

やわらかい心をもちましょう。

ある朝のバスの中で。

バスに乗った瞬間、私は
広い二人分の優先席にゆったりと座る母娘に釘付けになりました。
幼稚園の制服を着た女の子は
ゴキゲンで楽しそうに

お母さんと話したりしていました。

その目の前には、
おそらく80才前後と思しき
小柄で か細い、高齢の女性が
立っていらっしゃいました。

私はその母娘に声をかけるべきか、
それとも他にお婆さまが座れる席はないかと見回しましたが、あいにく満席でした。
少しして母娘が降りると、
すぐにお婆さまはその席に座られたので
私は安堵しました。


大人1人分の広い優先席に
小さな子どもを座らせて
更に母親自身もその隣に座り、
目の前に高齢者が立っているのに気が付かないのか、気付いていても譲る気がないのか…

しきりに
「足を閉じて座る!」
「手袋は外に出てから」などのマナーを教えていた、
自分の世界しか…周りが見えていない母親…

“お行儀よく” 育てようと一生懸命な気持ちは伝わってきましたが、、

肝心なトコロが… 抜けていませんか?
何か、ズレていることに気が付きませんか?
と心で思いつつ、
よほど声をかけようかとも思いましたが、
先日のある一件が思い返されたこともあり、
結局、
傍観するだけに留まってしまいました。

 

その一件とは、
夕方の東海道線の電車内の出来事。
大きな荷物を持った旅行者や

通勤通学客でギュウギュウの車内で、
「優先席に子どもを座らせるんじゃないよ!

抱っこして座るか立たせなさい!
子どもは半額しか払ってないんだから」
という
初老?の女性の荒い声がきこえてきました。
若い母親らしい声が
「ナニ自分が座りたいからって!」
と言うと
「当たり前でしょう高齢者なんだから!
優先席のマナーを知らないの!?」
などと押し問答の末、
席を譲られて女性は座ったようでしたが、
それからも
「まったく!

マナーも何もわからないんだから!

知らないから教えてあげてるの」
などと小言を続ける女性に、
私の前に立っていた若い男性が
「座れたんだから黙れやババア!」と言うと
「ウルサイよ!
マナーが悪いのを誰かが叱らないと

わからないでしょう!」
と…、女性はおさまらないようでした。


このことを考えると、
見ず知らずの人に声をかけることで
思いがけないトラブルに発展するかも知れない…
というような懸念が生まれました。


…かと思えば、おなじ電車でのエピソードで
だいぶ前のことですが、
電車内で私がスマホで映画を視聴していた時、
イヤホンジャックにキチンと刺さっていなかったようで音漏れ…というより
音がそのまま周りに聞こえていたことに
全く気付かずにいて、
それを同年代くらいの男性が教えて下さって

とても恥ずかしい思いをしつつも
おかげさまで直すことができたことがありました。
降り際にその男性に再度お礼を言ったところ

「えっ、ああ…」と

あまり気にしていない様子でしたので、
その方にとってはごく普通の、
日頃から当たり前にしていることだったのかも…知れませんが、


私にとっては、
見ず知らずの方が
きっと本当は、とても言いにくいし
見てみぬふりも出来たところ
わざわざ教えてくださったことが、
とても有り難く嬉しかったですし、
“イイ人だったなぁ” と
今でも印象に残っています。

 

 

私が子どもの頃、
NHK教育テレビ『できるかな』
という工作の番組に出演されていた
ノッポさん” こと高木のっぽさんが以前、
こんなことをおっしゃっていました。


『 私は “子ども” ではなく

 “小さな人” とよんでいます。
子どもは小さくても自分をしっかり持った
大人と同等の人。


母親の
「あんたみたいな不器用な子見たことない」
の一言で工作への絶望…コンプレックスだった。

父親
「あなたは強い人なんだ。
だから電車では座らずにしっかり立てるんだ」
の一言で そうだ、自分は強い人なんだ!と誇らしかった。
以来、

お年寄りを差し置いて座ることはしていない。八十歳を超えた今でも…


親の何気ない一言が
子どもにとっては深く印象に刻まれる。

 

今の子どもは
我先に!と座る席を探す。
 →親の教育がいけないから。

 

さいごに…
人は一人では生きられない。
人に優しく、みんなと仲良く生きましょう 』

 

 

大勢の、それぞれが違う環境で育ち
さまざまな生活をしている人たちの
それぞれの

さまざまな価値観が入り組んでいる世の中で、
どうするのが正解か?? とは、 
本っ当にむずかしくて
何とも、言えないところがありますが…、

 

夫婦間でも家族間でも、
対人関係全般に通じるのは
相手の立場に立ってみる “思い遣り” 
押しつけではない自然な “優しさ” が、
不可欠なものと、
私はあらためて感じました。

 

金子みすゞさんの
“ みんな違って みんな良い ”

相田みつをさんの
“ セトモノとセトモノと
ぶつかりっこするとすぐこわれちゃう
どっちかやわらかければ大丈夫
やわらかいこころを持ちましょう ”

 

この2つの言葉がおもい浮かびました。